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「ニュートンの蕾」20話感想

「ニュートンの蕾」19話感想 - 糊塗日記

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集英社公式アプリ少年ジャンプ+にて毎週火曜日更新のホラーゲーム「ニュートンの蕾」20話さざ波とアステール(4)の感想をクリエーター玉響しゆに敬意を払いつつ書いていく。ヒール役がやけに活き活きとしている。

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肘ドン

  • 絵のこと

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今回はやたらとコマの間に黒い三角が飛び散っていた。見にくいからやめればいいのに。目立ちたいのかな。20話経った現在でもこの変なコマ割りに慣れない。完全に単行本を諦めてWeb連載に特化した形なので非常に読みにくい。一コマ一コマが大きくてスクロールする指が疲れる。場面転換もうまくいっているように見えない。新しいものを作ろうとしているのかもしれないが絶対に流行らないので既存の漫画に合わせたコマ割りにシフトチェンジしていくことを期待する。

今週も柊の回想が続くのだが先週・今週・来週分合わせて1話にできそうな内容でちまちま展開を進めているのがじれったい。

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キャラクターのポーズが一辺倒で大概胸に拳を当てている。二話前くらいから見飽きるくらいに「心臓を捧げよ」のポーズをとり続けているキャラクターたちには血が通っているように思えない。年季の入った作者の漫画を見ると人物のポーズは生活感を感じさせるようなリアリティを持っていて没入感も変わってくる。その辺参考にしてほしい。ポージングのバリエーションが少ないのはまだしも同じようなポーズをなるべく避けて作品内で既視感をなるべく持たせないように工夫してほしい。

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松原だと思うのだがヒール役の左に立ったり右に立ったり忙しい。表情もよくわからないにやけ顔をしていてツインテールのいじめに加担しているのか一見わからない。

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松原の顔を反転して荻と並べたもの

今回久し振りに主人公・荻が登場するがやっぱり松原と見分けがつかない。特に松原は悪役の立ち位置にあるようなので並の手抜きでは済まされないと思うのだが…。メガネ一つでキャラの区別をつけているのならそれは甘えと言わざるを得ないだろう。

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ヒール役二人組を階段の上あたりから見下ろすシーンがあるがかなり苦しい。人物を正面から描くときにさえ頭身をコントロールできないのになぜ実力以上のことにやたら挑もうとするのか。頭がでかくて足を過剰に小さくしているから背景との合成がうまくいかずにアンバランスになっている。「今日は誰とヤッたの?」「まだお昼だけど」のセリフと表情も相まってこのシーンは笑いをこらえきれなかった。あとこの二人は柊をいじめる立場なので立ち位置は彼女より上にいる方が良かった。上にいる人間の方が直感的に優位に立っているように見えやすい。無難に柊を見下ろす形の方が画面的な印象も大きく違ってきただろう。

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セリフのひらがな・カタカタ・漢字の変換が中途半端で非常に読みにくい。またそれを口にしているキャラクターも頭が悪いように見えて仕方ない。「超腹たつ」「可愛こぶる」「チヤホヤ」あたり個人的に読みにくい。「超イラつく」「かわいこぶる」「ちやほや」とすると印象が変わって読みやすくなると思われる。ツインテールの名前が木瀬ということがわかった。

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ちょっと前まで壁だったところが廊下になったり天井が異様に高かったり髪の色が気分で変わったりするが玉響世界では日常的な風景に過ぎないので触れない。

「息苦しい…もう限界だ」が柊のモノローグなのだが学園ものじゃなかったら覚醒しててもおかしくないセリフ回しだろう。柊っぽくない。辛そうな表情描いて荻の登場につなげた方がテンポ良かったのでは。

  • 話のこと

笑わずにはいられなかった。ヒール役のツインテールのセリフが終始支離滅裂なのに作中の誰も突っ込まないので「あいまいみー」を彷彿とさせる狂気的なギャグ漫画の様相を呈していた。

ツインテールの木瀬は体育着姿の柊をあざ笑うのだが学校にいるのに体育着を着ていることに何らおかしい点がなく何をバカにしているのかわからない。それに突っ込まず木瀬に併合するクラスメートも彼女同様に感性がおかしいのだろう。次に「目立ちたかったとか?でもさすがに恥ずかしいと思うけど」と柊に言うセリフもよくわからない。これは本当によくわからないのでスルー。彼女の頭は終わっている。

たまらず教室を飛び出した柊は荻にぶつかる。これから授業でチャイムも鳴っているが廊下を平然と歩いている荻は遅刻魔に違いないだろう。急ぐそぶりもない。のちのシーンに繋げるために無理矢理登場させたのだろうが力技と言うほかない。

隠された柊の制服は先生が見つけてくれたらしい。笑わせないでくれ。先生は制服を探さない。制服を探してくれるほど献身的な先生がいたらいじめも解決してくれるだろう。話の本筋よりその先生に気が向いて集中できなくなった。

あらためて「今日は誰とヤッたの?」「まだお昼だけど」のセリフはずるい。ここだけかなり笑える。今からでも狂気的な下ネタ4コマ漫画に移行した方が需要が増えると思う。

先々週まで柊と付き合い先週は教室でサカっていた松原が木瀬と柊の会話に割り込んでくる。木瀬のことを「木瀬ちゃん」と呼んでいるあたり仲が良さそうだ。彼と仲がいいということは木瀬は松原と裏でヤッててもおかしくない。この作品の世界観ではそこまで邪推しても全然おかしくなくなってきた。また松原が柊を退屈だからフったのは本当だが木瀬のいじめに加担するのはちょっと説明不足に感じる。破綻してはいないがわざわざ退屈な女をいじめるのにこういう男が労力を割くのか疑問。ありものを詰め合わせたような脚本のアラを感じさせる。

その直後に荻が登場する。ドンという大きな音とともに登場するがどうやら肘で壁を叩いたようだ。それではまず他人を驚かせるような大きい音は鳴らないだろう。どうでもいいがポケットにかなり深く手を突っ込んでいてこのポーズも面白い。そしてこの後アクションを起こすのかと思いきやここで唐突に今週話が終わり、内容的に消化不良。結局先週の事態から少しも前進せず大した後退もせずに一話分を消費したことになる。読者をバカにしているとしか思えない。これで儲かってるなら結構羨ましいな。

  • 終わりに

荻が登場したからには柊のいじめを軽く解決して回想を締めるのだろうがそのためにやたらと話数を費やした印象。そもそも柊が荻と橘のデートを偶然発見するあたりから展開にアラがあったのでなんで彼女の回想を見せられてるのかいまだにわからない。その辺りの繋ぎと今後荻がうまく共感覚を活かしていじめの解決を見せてくれるのか非常に心配。でなければこの作品のコンセプトがやはりわからなくなってくる。「ニュートン」という言葉も作中最初の一、二話にしか使われていない。

 

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