糊塗日記

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「ニュートンの蕾」22話感想

「ニュートンの蕾」21話感想 - 糊塗日記

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集英社公式アプリ少年ジャンプ+にて毎週火曜日更新の漫画(笑)「ニュートンの蕾」の感想を作者(汗)玉響しゆに敬意を払いつつ書いていく。暑くて死ぬ。

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このセリフすこしモヤっとする

  • 絵のこと

いつも通りスカスカな点を除けば特になにも問題ない作画だった。1週間休載を挟んで病気みたいな作画から抜け出せたようでなにより。柊の回想中の作画は見てるものを不安にさせる力があったが今週から安定するなら良い。

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前話で柊の長い回想が終わり今週はメインヒロインの橘カットから始まった。以前まで敷いてあったベット下のカーペットがなくなっている。ミスに違いない。1コマ目から作者の安定感を見せつけられむしろ安心した。

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橘とその弟?兄?のキャラクターが同じノースリーブのパーカーを着ている。タイトルコールで2人がポーズをとって並んでいるが見るに耐えない。ペアルックでも精神ダメージを受けつつ男のノースリーブで追い討ちをかけられた。先生…この高度なファッションセンスはどの層の読者に喜ばれるんですか。

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橘のスマホが映るとき、また以前つけていたアイテム、キモいスマホケースが消失している。冒頭でもともと黄色く見えていたぬいぐるみをしまう描写があるため「黄色断ち」している可能性があるのだがスマホケースを取り外すシーンをカットするほど余裕がなかったように感じなかった。ミスと思われる。

玉響世界のルールに「昨日身につけていたものが明日もあると思うな」が追加された。

弟?兄?が荻と見分けがつかなかった。またか。同じ顔の人間がかなり近い位置に3人集まるなんて作中の荻顔たちの運命力の高さを感じる。オリジナル荻が荻1、柊の回想で登場したヤリチンが荻2、橘の兄弟が荻3にあたる。まだまだ増えそうな気がしてきた。次はどんな荻がやってくるのか楽しみにすらしている自分がいる。10人くらい集まって「助けに来たぜ!橘!」というアガる展開がぜひ見たい。

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橘は放課後自分の描いた絵を見つめている。描いた絵を頑なに読者に見せようとしない。これが後々読者を驚かせる展開につながればいいがその線は薄いように感じる。キャラクターの描いた作中作を読者に見せるときどうしてもその内面を素直に出さざるを得ないため、まず作者自身の理解度が試されることになる。これが厳しい。読者に見せないという選択肢を取ると安全だがちょっと残念な気持ちになる。見せるとなるとやはりキャラのイメージが試されることになるので合わないなと思う読者にあっさり愛想を尽かされるだろう。橘の絵が披露される日が来るのならファンの読者の期待に添える絵を見せてやってほしいものだ。

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とりあえずすごいことになっているコマが最後に登場する。橘の顔がありえないレベルにでかい。かつ走り方がおかしい。このコマはすごい!

単純に時間不足という要因だけでは擁護しきれない絵の下手さがあらわになった。隣のコマとの位置関係も微妙で、スマホでスクロールしづらいことこの上ない。いい加減に独特のコマ割りは許すのでせめてスマホの一画面に収まるように描いてほしい。普段の漫画でさえこうで先週の一枚絵でもやや大きめのサイズだったためスクショできない。見づらい。ちょっとの工夫で改善できることだ。周りの人物はどうして誰も「画面の大きさからはみ出してますよ」と玉響に教えてあげなかったんだ。

とにかく最後のコマみたいな絵は二度と描かないでほしい。気がつきさえすればデジタルで頭の大きさをいじるのくらいたいした時間はかからないのだから。

  • 話のこと

空気のありがたさを感じるような哲学的な問いかけをされた気分になった。

というのも今回の話は「何もなかった」。長い回想を挟んだので新規読者に橘の未知の病気のことを周知させてもよし。荻とヒロインとの関係性を簡単に見せるもよし。決意を見せた柊の姿を最後にワンカット挿入するもよしのなんでもできるシチュエーションだったが玉響先生は「何もしない」という高度な選択肢を選んだ。

「黄色が見えなくなった」とぼそぼそと言ってベッドで落ち込む橘やそれを心配する優しい家族(初登場)、そしてひとり落ち込む橘を描写して最後に荻を偶然発見して走り出した橘。見事なまでに橘回だったがいまいち彼女のことがわからない。色が見えるうちに絵を描いて自分を慰めようという合理的思考とやっぱつらい…というヤワい感情が混在していてさらに行き詰まったら躊躇うことなく男の子に助けてもらおうとするお姫様思考も持ち合わせている。こんなやついない。いたとして関わり合いになりたくない。

丸々橘が描写された回でありながら彼女のことを好きになれなかった。彼女自身が独特な行動をしていないからだ。その結果物語は今までにない平坦さを読者に与えた。

平坦な物語自体は本作にとって珍しいことではない。しかし何かひとつ不快であったり悪い意味で難解であったりする部分がどこかにあった。今回はそれすらなかったのだ。そのため筆者は22話が嫌いじゃない。なんか後味悪くないなというありがたみを感じた。

感想を書くために本作を読んでいるが心の準備は相応にいる作品だ。並みの覚悟では玉響世界の波に飲まれる。自分の審美眼を濁らされないために確固たる意志を持って臨むものだったが今回に限りその意気込みは必要なかった。玉響が橘に特別変な行動をとらせなかったからだ。

浅い水たまりを見るような、無風の草原を見るような白紙の状態で読み終えることができた。

さらに良い状態を望むことは前に進むために必要だが疲れたときには悪くない状態を保ち小休止を挟むことも大切。そんな教訓を学んだ。

作者はそんなこと考えてないと思うけど。

  • 終わりに

ゲームやってて投稿が遅れました。申し訳ない。

最近ジャンプ+では面白い先生のインタビューが毎日載ってるので読んでてとても楽しいです。

 

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